解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>16.EMCジャパン 2次店増やしSMBに拡販

2009/05/18 20:45

週刊BCN 2009年05月18日vol.1284掲載

大手卸と販売契約を締結

 EMCジャパンは、販売代理店向け支援制度「EMC Velocityパートナー・プログラム」によってディストリビュータを増やし、SMB(中堅・中小企業)向け事業の基盤を整備した。

 EMCジャパンは、業界では“直販志向”との見方が強く、間接販売の強化を課題に掲げていた。その一環として、SMBに拡販するための販売代理店を確保することに力を注いでいる。大手総合ディストリビュータとパートナーシップを組み、昨年夏から着々と実現してきた。ソフトバンクBBとの販売契約の締結を手始めとして、大塚商会とダイワボウ情報システムなどを「ディストリビュータ・パートナー」として獲得したのである。大手3社とのパートナーシップを実現したことで、販売経路が全国に拡大。2次店の増加を契機に支援制度を強化した。ディストリビュータ経由でEMC製品を仕入れるSIerやリセラーを「アドバンテージ・パートナー」と位置づけ、情報提供やトレーニングなどを拡充した。製品については、「EMC CLARiX AX-4」でユーザー企業が自社で構築できるといった簡便性を追求。手離れのよさを武器に、2次店が売りやすい環境を整えた。


 国内ストレージ市場は、企業のデータ量が増大していることにともなって拡大傾向にある。なかでも、これまでストレージを導入してこなかったSMBで購入意欲が高まっている状況。ストレージ機器メーカーにとっては、いかにSMBを新規顧客として開拓できるかが、事業拡大のカギを握る。つまり、全国網に販路を持つディストリビュータとのパートナーシップは欠かせないわけだ。EMCジャパンは、昨年の時点で課題を克服、シェア拡大を図ることができる素地が固まったことになる。また、ストレージ機器メーカーの多くはサーバーとのセット販売を進めているが、サーバーを持たないEMCジャパンは“マルチベンダー化”の推進で差別化を図る方針だ。(佐相彰彦)

 

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