SaaSはメーカー系と地場SIer

 中堅・中小企業向け業務ソフトウェアベンダー大手のピー・シー・エー(PCA)の主力会計ソフト製品などの流通は、事務機ディーラーと大手メーカー系販社の両経由で導入数の半分を占めている。このうち最も物量が多いのが事務機ディーラーだ。リコーやキヤノンマーケティングジャパンの直系販社、大塚商会や同社ビジネスパートナーといったベンダーがプリンタなどOA機器と一緒に業務ソフトを販売している。大手メーカー系としては、富士通や東芝の直系SIerを筆頭に、地場の旧オフコンディーラーまでチャネルは幅広い。

 同社は昨年5月、業界に先駆けて自社データセンターから「PCA9シリーズ」をSaaS提供する「PCA for SaaS」を開始した。すでに当初目標の160社への導入を果たしている。


 これまでの「再販モデル」を維持したままでの取り組みとして業界を驚かせたが、今年1月にはさらに、ハードウェアなどの初期投資が無料の「PCA for SaaSイニシャル0プラン」の提供を開始している。折登泰樹・専務取締役は「今年6月単月で、初めてSaaS事業が黒字化した」としており、「ストックビジネス」のさらなる拡大を目指している。


 このSaaSは、「地域の“ローカルキング”であるSIerと事務機ディーラーが多くを販売した」(同)。リコーからは同社の中小企業向けIT導入ソリューション「NETBegin BBパック」でPCAのSaaSが提供される予定だ。


 PCAの業務ソフトは1980年代に、NEC開催のパソコンフェアなどのイベント展示を契機に販売を伸ばし、1990~2000年にかけてWindowsベースの業務ソフトとしてパソコン専門ショップや家電量販店経由の「商流」を築いた。だが、量販店が低価格路線に移り、高価な会計ソフトを提供する同社ソフトは現在、ショップ経由でほとんど販売していない。来年8月に創業30周年を迎える同社。次なる流通網構築へ向けた取り組みを発進している。(谷畑良胤)