志の経営
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富士通ビジネスシステム 鈴木國明 会長兼社長 |
富士通は2009年5月、グループとして中堅企業向けビジネスを強化するために、当社を完全子会社化することを発表した。完全子会社化して進める具体的な施策は主に三つだった。中堅企業向け営業機能と、ERP「GLOVIA smart」の企画・商品化機能、パートナー企業との協業立案機能を当社に集約する計画だった。
当初の計画では09年10月1日に各機能の移管、集約を完了する予定だったが、実際は思うように進んでいない。営業機能とERPの企画・商品化機能の移管は問題ないが、パートナーとの調整に時間がかかっている。パートナーそれぞれで事情が異なり、時間がかかるのは当然で、そこを見誤っていたことは否定できない。
しかしながら、計画が頓挫したわけではない。時間はかかるかもしれないが、当初描いた体制に向けて引き続き準備している。来年度(2011年3月期)期首には、新たな体制を築けるようにしたい。
2010年のキーワードは、そんな事情もあり、「志の経営」とする。中堅企業向けビジネスに集中する企業に変化することはつらい面もある。だが、富士通グループの成長を考えれば、当社のような(中堅企業に特化した)ベンダーが必要なはずだ。目先の業績目標を達成することはもちろん大事だが、5年先、10年先に自分たちがグループのなかでどんな企業になりたいかを頭に置きながら、経営することが求められている。志が必要な時だと思う。