成長軌道の確立
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新日鉄ソリューションズ 北川三雄 社長 |
情報サービス産業は、これまで主に受託ソフト開発を主体として成長してきた。だが、市場や技術の動向は、今般の不況を境に大きく変わった。低迷期を抜け出した後も、過去と同じようなビジネススタイルで臨んでいては通用しない。キーワードの「成長軌道の確立」は、新しい時代にマッチした成長モデルを確立させるという意味を込めた。
その大きな変化の一つが、クラウド・コンピューティングだ。すでに複数の顧客で共有して使うエンタープライズ・クラウドや、特定の顧客が専有して使うプライベート・クラウドのサービスを投入。2010年は、既存のクラウドサービスに磨きをかけ、より多様なサービスを提供できるよう努める。
受託ソフト開発にもクラウド技術を応用する。当社は隣国・中国の上海と大連に、協力会社を含めて約200人規模の開発リソースをもっている。国内の開発チームと、中国の開発チームをとりまとめる仮想的なプラットフォームであるソフトウェア開発基盤を、早ければ2010年度上期(4~9月)中にも本格稼働させる。クラウド技術を活用したもので、国内外の開発リソースをシームレスに統合することで、開発パワーとコスト競争力を高める方針だ。
当社は基盤系のITシステムに強いSIerであり、基盤技術であるクラウドでも業界をリードしている。投資余力のある業種・業態に狙いを定め、強みを前面に打ち出すことでビジネスを伸ばす。