関西の地域性を生かす

小幡忠信 理事長

　HISCOは、関西地区を中心に、中小規模のソフトウェア開発会社が加盟している団体である。加盟企業を増やすべく、昨年から、起業したばかりの若い企業がHISCOに加入する際のハードルを下げるために、あらゆる施策を講じている。例えば、若い企業を対象として、入会金を従来の10万円から1万円に、月々の会費を1万円から5000円に下げた。その結果、すでに約20社の企業に新たにHISCOのメンバーになってもらうことができた。今年はさらに加盟の敷居を低くする施策を強化し、メンバーを増やしたい。

　関西地区は、東日本大震災や円高の影響を受け、2012年はITベンダーを取り巻く環境が厳しくなる見込みだ。とはいえ、このところはソフトウェア開発の案件が増えつつあり、目先の仕事がみえてきている。HISCOとしては攻めの姿勢で、スクリプト言語のRubyやOSのAndroidなどを切り口に、ITベンダーの新しい事業を創造することを支援する。

　運営面では、年2回、フォーラムを開くなどのイベント開催をはじめ、収益の出る事業展開に注力する。また、関西の地域特性を生かしながら、組合のメンバー同士が力を合わせ、単独ではできない仕事を数社の共同体で受けることにも取り組む考えだ。組合の加盟企業がもつ開発力をアピールするカタログをつくり、今年中にかたちにしたい。