福山朋子さんは、地方展開に強いインテックで、地域の金融機関にCRM(顧客管理)製品を提案する部隊を率いている。現在、商材ポートフォリオの拡充に取り組み、客先のニーズをヒアリングする活動に力を入れている。福山さんは部下の指導に熱心で、女性マネージャーとしてのロールモデルになるだけではなく、自らもさらなる活躍を目指し、経営陣に同行することでリーダーシップを磨いている。事業も、そして部下も「新しいステージ」に導こうとしている福山さんの、マネージャーとして輝く姿を追った。(構成/ゼンフ ミシャ 写真/長谷川博一)
福山 朋子(ふくやま ともこ)
1995年、大学を卒業後、インテックに入社。大手金融機関向けのシステム開発・保守に携わる。入社5年目から、営業を担当。月の半分は、日本中の地域金融機関を飛び回ってユーザーの生の声を聴き、提案活動に生かす。2013年、課長に就任。部下3人を指導しながら、隣の部門の若手社員にも檄を飛ばす。
仕事と家庭の両立を図る「勝てる提案書」作成担当
●iPadを片手に全国を回る 最近、私は九州や関東・東北の地方銀行を訪問し、新たな製品づくりの種まきをしている。お客様は、投資信託など、金融商品の申し込みを紙ベースで管理していて、その処理業務は非常に大きな負荷になっている。そこで私は、これまで紙ベースの仕事をiPadでできないだろうかと考え、お客様にモバイル端末の活用についてのヒアリングをしている。
私の上司は、年齢が若いこともあって、社内でのIT活用に積極的だ。営業スタッフはiPadを支給され、業務に駆使している。月の半分くらいは地方に出ているので、以前はたまりがちだった承認などの社内業務も、今はiPadを使って出張先でこなしている。もちろん、部下との情報共有にもiPadは大いに活躍している。
●新しい営業職のかたち 3人の部下も、私と同じように全国各地に足を運び、提案活動に励んでいる。こうしてお客様を訪問して現場に密着することは、営業のスタイルとしてはオーソドックスではあるけれど、必ずしも唯一の姿ではないと思っている。
先日、女性の部下から「将来、家庭をもちたいと思っているが、どうやったら仕事と両立できるのか」と相談を受けた。私は、お客様のニーズが多様化し、競合ベンダーが多い今の時代は、受注を決定づける提案書づくりが重要だと考えている。この「勝てる提案書」を作る際に必要なのは、自らが現場に出なくても、市場動向やお客様の業務内容を念入りに調べ、どう攻めるかの作戦をしっかり練る「プロ」の営業スタッフだ。これは社内で、通常の業務時間内にできる仕事なので、外回りの営業スタッフより、家庭との両立はしやすい。部下たちのそれぞれのキャリアパスを考えて、ぜひ「社内にいながら最前線で戦う」という新しいかたちの営業職をつくりたい。
部下の力を発揮させるために、もう一つ取り組んでいるのは、評価の見直しだ。新製品の立ち上げのフェーズでは、営業活動が思うようにいかなかったり、提案がすぐに受注につながらなかったりすることが多い。だから、売り上げの「数字」だけでなく、例えば訪問件数などを基準にした「努力」も評価に入れるようにして、部下が挑戦しやすい環境を築いている。
●取締役に同行してリーダー研修 先日、ずっと私を支えてくれた女性の上司から「福山さん、たくましくなったね」と、うれしい言葉をいただいた。私は課長に就任してまだ日が浅いが、常に成長を目指して、最近は客先に行く取締役に同行して、リーダーシップを磨くようにしている。そこで学んだのは、自分の業界だけをみるのではなく、広い視野をもって、お客様にあらゆる情報を提供できる知識をもつことが重要、ということ。アンテナを張って、真のリーダーを目指したい。
私の営業方針を表す漢字は……「聴」
ソリューションはお客様と一緒につくるものだから、私はひたすらお客様の声に耳を傾け、どんなニーズがあるかを真摯に聴く。私のお客様である地方銀行は、より細かいサービスの提供によって、消費者との関係を密にする施策を採っているので、例えばソーシャルメディアを活用して口座の開設に誘導するなど、ITでマーケティングを支援するツールに関しての需要が旺盛だ。全国各地に足を運び、うかがったニーズから最適なソリューションを考えて、お客様のビジネスを支えたい。