
鹿島亨 社長 労働人口の減少を考えれば、日本の経済全体、IT産業の縮小は避けられない。これまでと同じビジネスを続けていれば、成長はないという危機感がある。10年後のビジネスをつくるための種まきをしておかなければならない。今こそ、新たなビジネスやマーケットに挑むときだ。当社は、その観点で、自社でIP(知的財産権)を保有するプロダクトの販売事業と海外市場に力を入れている。
日本のIT産業のほとんどは、労働集約型のシステム開発で占められている。しかし、これでは利益率を飛躍的に高めることは難しい。自社でIPを保有しているプロダクトであれば、利益を一気に増やすことができる可能性が高まる。さらにいえば、自社開発の製品だけにこだわるのではなく、魅力的な製品をもつITベンダーとM&Aなどの施策で協業関係を築いて、その製品を自社内に取り込んでいきたい。それを国内だけでなく、海外市場にも販売する。
こうした新たなビジネスは、リスクを伴うこともあるので、社員や株主などのステークホルダーが難色を示すかもしれない。とはいえ、将来を考えれば、避けて通れないことだ。失敗しないためのリスクヘッジは適切に手を打ちながらも、思い切って挑戦する姿勢をもち続ける。
SRAホールディングスの母体で主力事業会社のSRAは、2017年で設立50周年を迎える。このときまでには、自社IPビジネスと海外事業が当社を支える柱になっているように、積極果敢にチャレンジする。