会計事務所や中堅・中小企業など多くの顧客基盤を擁するミロク情報サービス(MJS、是枝周樹社長)は、“マイナンバー管理ソフト”と“BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)サービス”の二本立てで、マイナンバー(社会保障・税番号)制度への対応に取り組んでいる。マイナンバー管理ソフトは、「MJSマイナンバー」の商品名でパッケージ版とクラウド版の2種類を用意している。BPOサービスは、BPO業務に強みをもつ石川県の石川コンピュータ・センター(ICC、多田和雄社長)と協業。番号収集から保管、廃棄に至るまでをフルアウトソーシングする「MJSマイナンバーBPO」として、サービス展開している。
ミロク情報サービスは、およそ8400社の会計事務所ユーザー、約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを擁しており、この領域における財務会計システム開発や経営情報サービスでは、業界屈指の強さを誇る。今回のマイナンバー関連商材においても、会計事務所と中堅・中小企業の双方で使えるのが特徴で、「顧問先の企業の給与計算を代行している会計事務所では、顧問先従業員のマイナンバーも一緒に管理代行するケースも少なくない」(ミロク情報サービスの志牟田浩司・営業推進部企業システム企画グループ部長)とみている。
マイナンバー制度では、税務申告書や源泉徴収票、支払調書などの帳票にマイナンバーを記さなければならない。MJSマイナンバーでは、会計事務所と顧問先とでマイナンバーの情報を共有しやすいよう、クラウド版も用意した。これに加えて、マイナンバーの収集と保管、廃棄に至るまでの一連の業務を、フルアウトソーシングで代行するBPOサービスを揃え、マイナンバーの管理をユーザー企業自身、会計事務所が代行、BPO方式でミロク情報サービスが代行の三つの選択肢で対応できる体制を整えている。
マイナンバーは、本来であれば従業員を抱えるユーザー企業の責任で管理すべきものだが、中小企業の場合、実態としてマイナンバーを理解し、管理できる人手が限られている。このため顧問契約を結んでいる会計事務所側でマイナンバーを管理代行するケースもあり、「複数の顧問先のマイナンバー管理用にMJSマイナンバーを購入していただいている」(古谷卓・パートナー事業部公共セクターソリューショングループ副部長)と話す。
とはいえ、人的リソースも限られていることから、いくらすぐれた管理ツールがあったとしても、マイナンバーを収集して、適切に管理できるかどうかを考えると、導入に不安が残る。そこでMJSマイナンバーBPOでは、万全の体制を整えたうえで、価格も1番号あたりの収集手数料が400円(税別)、保管料が年間600円と割安に抑え、ユーザーの導入負担の軽減を強く意識した価格としている。同BPOサービスでは、向こう1年間で100社程度のユーザー獲得を見込んでいる。(安藤章司)

志牟田浩司部長(左)と古谷 卓副部長