既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新
<既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新>(5)ブロックチェーン技術のOJTにニーズ
2016/07/21 16:04
週刊BCN 2016年07月18日vol.1637掲載
ブロックチェーン技術を活用する業務アプリ向けの開発支援ミドルウェア「Deals4」を提供するカレンシーポート(杉井靖典・代表取締役CEO)は、大手金融機関やSIerなどが行う実証実験においても、有力なブロックチェーン専門企業として、主に技術面のガイド役を担っている。(本多和幸)
カレンシーポートが参画しているブロックチェーン関連の実証事業で公表されているものとしては、まず、みずほフィナンシャルグループ、電通国際情報サービス(ISID)、日本マイクロソフトとともに進めている、シンジケートローン業務を対象とした実証実験が挙げられる。また、野村総合研究所(NRI)と共同で、証券業務へのブロックチェーン活用の実証実験も行っている。
いずれも金融分野で豊富な実績をもつ大手SIerが絡むプロジェクトだが、彼らにはブロックチェーンに精通したエンジニアが不足しており、それを補完できる国内有数のブロックチェーン専門企業として、カレンシーポートには大きな信頼が寄せられていることがうかがえる。同社ではこうしたプロジェクトを通して、SIerにブロックチェーン技術のOJTを施す事例が増えているという。杉井CEOは次のように説明する。
「SIerで、ブロックチェーンに精通したエンジニアを内部に抱えているところはまだほとんどない。しかし今後、ブロックチェーンへのニーズに対応していくためには、社内のエンジニアが育っていかないとなかなか苦しいだろう。なぜなら、ブロックチェーンのエンジニアというのは量産型のエンジニアではないので、募集すればいくらでも集まるというわけではないし、今のところ仕事をさせるにしてもかなりのお金が必要になってしまう。SIer側がコストを削減したいと考えるなら、自社で育てていただければそれは可能ということになる。そのためのお手伝いとして、PoCをやりながらOJTをするというようなことを当社がやっているケースは多い」。
SIerに人材が増えれば協業できる場面が広がる
ただ、SIerにブロックチェーンの技術が浸透すれば、カレンシーポートの技術力が希少性を失うことにならないのだろうか。これに対して杉井CEOは、「SIerに技術移転をするのはいいことだと考えている。われわれは基本的に受託開発ではなくプラットフォームの会社なので、開発のフェーズでは一緒に仕事をしても、メンテナンスはSIerにできるようになってほしい。SIer側に人材が増えれば、協業できる場面が広がり、市場も拡大していくだろう」と説明する。
一方で、米国で多くみられるように、ユーザー企業がインハウスでアプリケーションを内製するようなケースについては、「OJTをしてほしいといわれても抵抗がある」(杉井CEO)という。協業のスキームを構築できる相手であるからこそ、日本のSIerにはOJTをサービスメニューとして提供しているのだ。
ブロックチェーン技術を活用する業務アプリ向けの開発支援ミドルウェア「Deals4」を提供するカレンシーポート(杉井靖典・代表取締役CEO)は、大手金融機関やSIerなどが行う実証実験においても、有力なブロックチェーン専門企業として、主に技術面のガイド役を担っている。(本多和幸)
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