会報誌「J-Ship」を年に2回発行している日本情報技術取引所(JIET)。同誌の制作を担当しているのが、2014年7月に発足した広報委員会だ。JIETの活動やIT業界が活性化するきっかけとなるような会報誌を目指している。「いずれは、発行ペースを年4回に増やしたい」と、貝瀬幸敏・広報委員会委員長は考えている。広報委員会はほかにも、ウェブページの運営、イベントの企画・運営、プレスリリースなど、JIETの活動を内外に伝える役割を担っている。
「波風」から「J-Ship」へ
広報委員会の発足前にJIETで発行していた会報誌は「波風」というタイトルだった。これを「J-Ship」に変更し、JIETの方向性を明確にした。
「J-Shipの“Ship”には、ビジネスパートナーシップなどのシップ制の意味が一つ。また、荒波に負けない大きな船の意味も込めている。景気に左右されずに会員企業が時代の荒波を航海していくイメージ。さらに、グローバル化対応を見据え、海外へ進出するための船の意味もある」と、貝瀬委員長は会報誌のタイトル名の“Ship”に対する思いを語る。JIETは現在、台北とバンコクに支部を設立するための特命理事を任命するなど、海外への展開を積極的に進めている。会報誌のタイトル名は、その活動にも合致している。

日本情報技術取引所
貝瀬幸敏
理事 広報委員会委員長
J-Shipでは、JIETの活動紹介に加え、IT市場の動向やIT以外の話題も掲載している。記事のテーマを工夫することで、「読んでおもしろいだけでなく、会員企業の営業担当者が、客先で話題を振るための営業ツールとしても活用できるようにしたい。さらには、新しいビジネス創出のきっかけやヒントになるような情報発信を目指す」と、貝瀬委員長はJ-Shipに期待している。また、IT業界で活躍する女性が増えたことも考慮して、誌面のクオリティにこだわり、内容が固くならないように意識しているという。
現時点では、正月の賀詞交歓会と、6月の通常総会というJIETの活動にあわせてJ-Shipを発行しているが、年2回では不十分との考えから、貝瀬委員長は年4回の発行を目指している。

年2回発行の会報誌「J-Ship」。表紙のデザインは船をイメージ
支部の連携で組織を活性化
広報委員会の役割は、JIETの認知度を上げて、会員を確保し、活動を活性化することにある。そのために、会報誌の発行、ウェブページの更新と管理、イベントの企画と運営、プレスリリースなどの情報発信、異業種団体などとの提携といった活動を進めている。
「広報委員会は、JIETの営業部隊。まずは全国でJIETの認知度を上げなければならない」と貝瀬委員長。認知度が上がることで、会員が増え、クオリティの高い案件の受発注の場になることを期待している。
また、JIETは全国に支部があるため、広報委員会は各支部が連携できるような横串の取り組みを進めている。そのためには各支部の情報発信が不可欠なことから、貝瀬委員長は「支部ごとに広報活動ができるような体制も整えていきたい。東京からの情報発信には限界がある」と考えている。ちなみに、JIETには活動委員会として、青年委員会や国際委員会という支部横串の組織がある。それらとの連携も重要な広報委員会の活動となる。
JIETの海外展開へのサポートでは、JIETのウェブページの活用を想定している。「現在は日本語のページしか提供していないが、今後は英語のページも用意する予定。いずれは、中国語やヨーロッパの言語などにも対応していきたい」(貝瀬委員長)としている。情報発信には、SNSも積極的に活用していく考えだ。
異業種団体との提携
JIETの活動はシステム開発案件の取引所としての役割がメインだが、メンタルケアに関する情報発信など、IT関連企業が抱えるさまざまな課題の解決に向けた取り組みも行っている。「JIETは、異業種団体との提携により、衣食住やレジャー情報の提供など、会員企業の福利厚生の充実につながるような取り組みもしている」ため、こういった情報の提供を強化することで、貝瀬委員長は会員の満足度向上に努めている。