今や、カードやスマートフォンを利用してクーポンを利用したり、料金を支払ったりすることが一般的になりました。それらには、NFC(近距離無線通信)のような無線通信技術が一般的に活用されています。そんななか、マッシュルームでは、双方向認証を実現するあらたな無線通信技術の開発に取り組んでいます。
どんな会社なの?
山瀬剛人
取締役「光」と「静電容量」の活用による、スマートフォンと専用端末間の双方向通信技術「FLASHTOUCH」を開発しています。
FLASHTOUCHでは、「光」と「静電容量」の異なる方式のシグナルを組み合わせて双方向通信を実現することがポイント。スマートフォンのブラウザなどで開いた認証用の画面をFLASHTOUCHの専用デバイスに接触させると、認証用画面がトランザクションごとに異なるユニークな光シグナルを発信します。それを専用デバイスで読み取り、認証結果を専用デバイスからスマートフォンに対して、静電容量を用いた、人の指のタッチを再現したタッチシグナルとして返すことによって、相互に通信を行い認証します。
「FLASHTOUCHには特別なチップや機能は必要なく、スマートフォンに基本的に備わっている機能(スクリーンとブラウザの表示)さえあれば、どんなスマートフォンでも通信できる“ユニバーサル性”が最大の特徴」(山瀬剛人取締役)ということです。

FLASHTOUCHの専用デバイスと認証画面
どんなビジネスモデルなの?料金固定の月額サービスと従量課金制の二つの料金体系を用意します。
現在はまだサービス化していませんが、デバイスを貸し出し、利用月に定額の料金を課す月額プランと、トランザクション量に応じて課金するプランを用意する予定。「ベーシックプランは月額料金。従量課金プランは決済用途に限定する」計画です。
今後取り組むことは?サービス化に向けた体制づくりに取り組みます。
FLASHTOUCHはまだ試作段階にあるとのこと。来年春にサービスを提供することを目指し、ハードウェアの量産やそのための資金調達などに動いています。また、営業活動にも積極的に取り組んでおり、電子クーポン/チケットを手がける企業や金融機関などから多数の問い合わせがあるそうです。
よろしくマッシュルーム
同社は、創業当初、ソーシャルギフトカードサービスを手がけていました。しかし、店舗でバーコードを読み取った後のギフトカードに運用面でリスクがあったといい、「きちんと使用されたことがわかる技術が必要」と思うように。それが、FLASHTOUCHの開発のきっかけとなりました。
今は、FLASHTOUCHに事業を一本化しています。試作段階にもかかわらず多数の問い合わせがあることから、「かなりいい」感触をつかんでいるようです。マッシュルームは「FLASHTOUCH」でイッポ前へ!