BI

　「ビジネスインテリジェンス」の略。売り上げや販売状況といった企業内のデータを活用し、経営判断に役立てる技術を指す。BIツールやBIシステムともいわれる。

　ビジネスインテリジェンスという言葉は、1950年代には誕生していた。ただ、現在のような意味で使われるようになったのは、ガートナーグループのハワード・ドレスナー氏が89年に提唱してからといわれている。

　BIツールを使うと、専門家のような知識がなくても、会社のデータを分析し、グラフなどにして傾向を把握することができる。販売管理や生産管理、マーケティングなど、幅広い領域で活用できるとされている。

　活用するには、ソフトウェアを自社サーバーにインストールするオンプレミス型と、インターネット経由でサーバーにアクセスするクラウド型がある。意思決定支援ツール（DSS）がBIツールの原型だとみる意見もある。

　エクセルとの違いは、より大量のデータを高速に処理できる点が挙げられる。また、社内のシステムに存在するさまざまなフォーマットのデータを、分析に活用できることもBIツールの特徴だ。

　IDCジャパンが2016年5月に発表したホワイトペーパーによると、企業が取得できるデータの質や量が拡大していることに伴い、国内企業のデータ活用のための投資は速いペースで増加している。15年の国内BIツール市場は、前年同期比108.9％の455億1700万円に伸びた。

BA

　「ビジネスアナリティクス」の略。企業内に存在するさまざまなデータを活用し、経営判断や問題点の改善に役立つ分析技術を指す。

　BAは、現状把握が目的のBIをさらに発展させ、「次の一手」のための分析結果が得られるのが特徴。米SAS Instituteが提唱したことがきっかけとなり、ビッグデータを活用する手段として世界中に広まった。売り上げの向上や顧客の確保だけでなく、クレーム予測など、幅広い領域で使えると考えられている。

　これまでは、企業内のデータを有効利用するために、分析の専門家であるデータサイエンティストが必要とされてきた。ただ、日本も含めた世界中で、データサイエンティストの人材不足は深刻な問題となっている。

　人間のデータサイエンティストに代わる存在として、注目されているのが人工知能（AI）だ。AIの活用により、BAの自動化が進むことが予想されている。将来的に、データサイエンティストの仕事がAIに奪われる可能性を指摘する意見もある。

　デジタル化の進展により、社会のデータ量は増え続けている。今後、データ量は爆発的に増えることが予想されており、大量のデータを生かせるBAの市場は、大きく伸びることが期待されている。

　IDCジャパンが6月に発表した調査結果では、2016年の国内BAソフトウェア市場は2282億6000万円となり、前年に比べて108％伸びた。21年にはさらに成長し、市場規模は3419億800万円に達すると予測されている。