「人を主役に」したビジネスが大きく育つ。製品視点で見た市場よりも、個々人の視点で市場を見たほうが何倍も大きな視野が得られる。例えば、ただ漠然と「欧州旅行はいかがですか」といった商品視点ではなく、個々人の趣味や嗜好をあらかじめ把握した上で、「このホテルで、この料理ではどうですか」と踏み込んでこそビジネスが広がるのと同じだ。何に関心を持っているのかが見えてくる。

謝敷宗敬
社長
 工場やプラントでも、「人」に各種のセンサーを取り付けてデータを集めることで、作業が安全に行われているか、体調不良になっていないか、などをリアルタイムで把握できる。危険を予測して事故を未然に防ぐことも可能だ。このタイプのデータは個人情報ではないため、国内外の工場やプラントとデータを積極的に共有してデータの精度を高めていくことも比較的容易である。

 周囲を見渡すと、就労人口の減少でベテラン層が減っている。また、働き方改革で共働きが増え、残業することも難しくなる。就労者や労働時間そのものが減少する中で、足りない部分はITでしっかりと補っていくことが求められている。近年の業務自動化のRPAブームも、そうしたニーズを反映したものだろう。

 人材の流動化が進む中、「人を主役に」した安全で魅力ある職場づくりが企業にとって重要な経営課題となっている。こうしたニーズをしっかり捉えていくことで、「人」を軸にしたITビジネスを一段と成長させていく。