あけましておめでとうございます。

 20年は何といっても五輪イヤーだ。東京を中心に、どれほどの活気と非日常のお祭り感、そして混乱をもたらすのかはまだ見えない。週刊BCNは年始1号目のこの号から、恒例企画である「年頭所感」を3号にわたって掲載する。ITベンダーのトップに週刊BCNの記者が直接取材しているのがウリの企画だが、五輪・パラリンピック開催期間にどのような勤務形態にするのか、明確になっているベンダーはそれほど多くなかった印象だ。テレワークの推進など、東京五輪を働き方改革に関するさまざまな施策が浸透するきっかけとして期待する向きもあるが、果たしてどうなるか。

 働き方改革関連法の施行も続く。19年4月に大企業を対象に時間外労働の上限規制がスタートしたが、今年4月には適用範囲が中小企業にも拡大する。同時に大企業は、正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇格差をなくすことも義務化される。

 16年ごろからバズワード的に盛り上がった働き方改革はIT需要の押し上げ要因になっているものの、実情は労働時間管理ツールの導入にとどまるケースも。多くの企業に、法令改正やビッグイベントが複合的に影響をもたらす今年こそ、業務プロセスの変革を含む抜本的な生産性向上を実現できるソリューションの商機は拡大するはずだ。

 一方で、アイ・ティ・アールが19年12月発表したIT投資動向調査の結果によれば、20年3月期以降のIT投資は、ここ数年に比べて鈍化する見込みだという。18年に経済産業省がDXレポートを発表して「2025年の崖」問題を指摘して以降、東京五輪後のリセッションはそれほど深刻ではなく、25年まではIT投資が堅調に推移するという見方が支配的になった印象があるが、そう安易に事は運ばないということか。

 それでも、8割の企業はDXを重要課題として位置付け、新しい技術や製品・サービスに投資する意欲は高いという。5Gの商用サービスが本格的にスタートするのも、20年のホットトピックだ。結局は、テクノロジーをユーザーにとっての価値に変換して届けられるプレイヤーがどれだけ市場に出てくるかが、ユーザーのIT投資動向を左右する。ITベンダーにとっては、チャレンジのしがいがある年と言えよう。週刊BCNもそのアクセラレーターとなるべく挑戦を続けていく。  
 
週刊BCN 編集長 本多 和幸

略歴

本多 和幸(ほんだ かずゆき)
 1979年6月生まれ。山形県酒田市出身。2003年、早稲田大学第一文学部文学科中国文学専修卒業。同年、水インフラの専門紙である水道産業新聞社に入社。中央官庁担当記者、産業界担当キャップなどを経て、2013年、BCNに。業務アプリケーション領域を中心に担当。2018年1月より現職。