今回登場のCliffhanger(クリフハンガー)は、2019年10月設立のAIスタートアップです。「人」の解析を強みにAIソリューションを提供。今年からは量子コンピューティングにも取り組んでいます。代表取締役の川嶋直さんとエンジニアの今給黎薫弘さんに話を聞きました。
どんな会社なのAI、ディープラーニングの事業を展開しています。
川嶋直代表取締役(右)と今給黎薫弘さん Cliffhangerは2年前に活動開始し、昨年10月に設立のスタートアップ。東京大学発で、AI/ディープラーニングを活用したソリューションを提供しています。今年からは量子コンピューティングの研究開発も始めています。
何が強みなのメンバーが医療、人間についての専門知識を持つことです。
同社の特徴は、「医学部に在籍もしくは卒業したメンバーが多い」(今給黎さん)こと。中には現役の医師でありながらエンジニアでもあるというメンバーもいます。そうした医学の専門知識とAI技術を組み合わせて、ソリューション提案を行っています。AIの精度にはモデルとデータが重要とされますが、「AIだけでなく、エンジニアが医療や人間のことを分かっている。人を解析するAIについては、それに最適なモデリングやデータをつくることができる」と、川嶋さんは話します。
同社が持つ技術の一つが「表情解析」。特に日本人の解析にフォーカスし、人の顔から年齢・性別だけでなく、感情や、日本人かそうでないかといったことも検知できるといいます。
この技術によって、通行人の属性分析による広告表示を最適化することなどに取り組んでいます。ほか、最近はゼネコンやエンターテインメント系での引き合いが多いそうです。
今後の方向性は街づくりの部分から、AIが見守っているような社会をつくりたいです。
街のさまざまなところにデジタルサイネージやAIカメラを設置して、人の仕事を代わったり異常を検知したりなど、人を見守り「その人に一番合わせたサービスを提供する」(川嶋さん)ようなAIの社会実装を描いています。また、量子コンピューティング事業では、ヘルスケア分野に注目。「量子コンピューターは2030年ごろに実用化されるといわれている。使えるようになった段階で、当社も動いて行けるようにしたい」(今給黎さん)と意気込みます。
よろしくスタートアップ
19年10月の設立で、事業としてはスタートしたばかり。ですが川嶋さんは、「(顧客の)生の声を聞きながら開発を進めていく。進めていき、これでいけますかとさらに聞いていく。このすり合わせにものすごく可能性を感じている」と手応えを得ているそうです。今後もAI、量子コンピューティングの事業を加速させていきます。Cliffhangerは「人にフォーカスしたAI/ディープラーニング」でイッポ前へ!