ChillStack(チルスタック)は、「AI×セキュリティ」に取り組むスタートアップです。AIを活用したオンラインゲーム向けの不正ユーザー検知システムを提供しているほか、最近はAI自体を守るセキュリティの研究開発にも力を入れています。伊東道明・代表取締役に話を聞きました。
Company Data
会社名 ChillStack
設立 2018年11月
所在地 東京都渋谷区
事業概要 ・不正ユーザ検知AIシステム「Stena」の開発・提供 ・様々なサービスに対する脆弱性診断事業・AIを守るセキュリティ技術の研究・提供
URL:https://chillstack.com/
どんな会社なの
「AI×セキュリティ」を軸に事業を展開しています。
伊東道明 代表取締役
ChillStackは、学生時代にAIセキュリティを研究していた伊東さんをはじめとする4人のメンバーによって、2018年に設立。「AI×セキュリティ」を軸に事業を展開しています。
主力製品として提供しているのが、オンラインゲーム向けの不正ユーザー検知システム「Stena(ステナ)」。「チート」や「ボット」など、オンラインゲームにおける不正なユーザー行動をAIが自動で検知するサービスで、ユーザーの行動ログを分析し、不正行為への対策を行うことができます。
Stenaは19年7月に提供を開始。現在導入している企業の中で「誤検知率は0.0001%以下」と言い、「精度面でも非常に自信を持っている」と話します。
また、最近力を入れているのが、「AIを守る」セキュリティの研究開発です。自動運転や顔認証など、さまざまな場面で活用が広がるAIですが、AIの判定に対し意図的にエラーを引き起こしたり、学習したAIを盗んだりする、AIに対する攻撃も登場してきていると言います。
そこで同社では三井物産セキュアディレクションとともに、こうした攻撃からAIを守り、AIを安全に利用するための共同研究を今年3月に開始。まずはAIの安全を確保する技術についての開発者向けトレーニングを提供し、ゆくゆくは製品化などを通して研究成果の実用化を図っていく考えです。
これらのほか、顧客のWebアプリケーションの脆弱性を調べるサービスも展開しています。
今後の方向性は
主力製品であるStenaを伸ばしていきます。
Stenaは現在、基本的にオンラインゲーム向けに提供していますが、他の業界向けにも展開を広げていきたい考え。「AIの技術は他の業界でも使うことができる。今はオンラインゲームに見た目や使い心地が特化しているが、より汎用的なものにすることで、いろいろな会社で使ってもらえるものになると考えている」と話します。
また、AIを守るセキュリティについても、研究開発も進めながら、トレーニングの提供を推進していく方針です。
よろしくChillStack
学生時代にAIセキュリティを研究していた伊東さん。当時書いた論文が国際学会で評価され、企業から問い合わせが寄せられるなどの反響があり、「みなさんに還元したいし、ビジネスチャンスになるのではないか」との思いから起業に至ったそうです。目標として、セキュリティ領域を同社が支援することで、「開発者にセキュリティを意識させない世界をつくりたい」と話します。ChillStackは「AI×セキュリティ」でイッポ前へ!