2014年設立のCogent Labs(コージェントラボ)は最先端のAI研究開発に取り組んでいるスタートアップです。主力製品として展開するAI-OCRサービスは、さまざまな業界で活用され、業務効率化を支援しています。エリック・秀幸・ホワイトウェイ代表取締役に話を聞きました。
どんな会社なの
ディープラーニングを利用して、ナレッジワーカーの労働生産性向上を中心にサービス・プロダクトの研究開発を行っています。
エリック・秀幸・ホワイトウェイ 代表取締役
Cogent Labsは、AIの研究開発や、AIを活用したプロダクトを開発・提供を手掛けています。「ナレッジワーカー(知識労働者)」にフォーカスし、業務効率化や生産性向上を支援。現在は三つのプロダクトをラインアップしています。
一つが、AI-OCRの「Tegaki」。さまざまな手書きの書類をスキャンして、データ化することができます。「大量ボリュームに対応でき、スピードも落ちない、エンタープライズグレードのシステムになっていることが強みの一つ」と言い、金融機関、製造、物流、教育など、さまざまな業界で利用されています。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策として実施された「特別定額給付金」の申請書の自動読み取りにも対応。複数の地方自治体に採用された実績があるそうです。
二つめが、自然言語処理プラットフォームの「Kaidoku」。「文章の意味を理解することができる」といい、それを活用したサービスとして、ニュースを検索・分析する「Kaidoku News」を提供しています。また、社内での情報検索・分析でナレッジシェアができる「Kaidoku Enterprise Search」や、教育関連の文章の自動採点を可能にする「Kaidoku Education」の開発も進めています。
三つめが、市場の時系列データをAIが分析し予測するAIエンジンの「TSF(Time Series Forecasting)」。現在は株式の取引高予測など金融業界で利用されていますが、「予測のエンジンとケイパビリティは今後ほかのところでも使えるようになると考えている」とのことです。
今後の方向性は
新たな価値の提供に力を入れていきます。
Tegakiは、現在エンタープライズを中心に展開しているクラウド版とオンプレミス版に加え、新たに中堅・中小企業向けに低価格で運用しやすいアプライアンス版を提供する予定。さらに、多言語での提供も強化し、まずはアジアを中心に展開して、海外顧客も増やしていく考えです。
また、Kaidokuのプロダクト化にも注力。「AIの性能が進んでいて、半年前にできなかったことができるようになっている」と言い、今後「よりアクセルを踏んで開発していきたい」と意気込みます。
よろしくCogent Labs
もともと証券会社でアルゴリズムトレーディングに従事していたホワイトウェイさん。2014年にディープラーニングと出会い、「すごいことができそうだ」と可能性を感じたことがきっかけとなって、Cogent Labsを設立しました。最初に提供を開始した手書き文字読み取りサービスのTegakiは、今では「AI-OCR」分野でよく知られるソリューションの一つとなっています。
「インターナショナルな会社」であることが特徴。25カ国以上のメンバーが在籍しています。中でも研究開発チームの約9割が外国籍で、「最先端のAI研究開発を行うにあたり、グローバルのタレントを採用することが大事」との考えから積極的に外国の優秀な人材の獲得に力を入れているそうです。Cogent Labsは「AIプロダクトの研究開発」でイッポ前へ!