従来のSIビジネスが「顧客企業からのインプットがなければ、アウトプットできない」ものであるならば、これからのSIビジネスは「顧客企業のビジネスの成長やIT戦略をともに支える」べきものだと考えている。これを一言で表したのが「受託型から価値創出型へ」のキーワードだ。顧客からの要件ありきで仕事をするのではなく、顧客とともに価値を創り出していく比重をより高める。

谷原 徹 社長

 例えば、SIのプロジェクトによっては、客先に分室を設けて常駐する「分室ビジネス」の形態を取っている。文字通り顧客に密着してシステムの開発を行うもので、現場にいるからこそ見えてくる課題も少なくない。顧客の事業部門からの指示のもと黙々と作業をするのではなく、顧客のビジネスを理解し、顧客の経営戦略と合致するよう変革を提案できる体制へと分室ビジネスを変えていく。

 大企業になればなるほど経営トップと現場の距離は遠くなる。経営トップが新しいビジネスを打ち出し、それに伴うIT戦略を立案しても、実行するのは各事業部門の責任者となる。分室ビジネスの改革を通じて、実際に変革を実行する顧客の事業部門とリスクを共有し、デジタル変革によって生み出される価値を顧客とともに創造していく。

 直近では、分室ビジネスを価値創出型へと変えていく取り組みを評価し、分室のモチベーションを高める仕組みも取り入れている。全国約540ある分室で、すでに先進的な事例が出始めており、2021年はこれをさらに横展開していくことで分室ビジネス改革に弾みをつける。