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「PPAP」は何の略語? JIPDECの大泰司氏が命名

2021/08/24 18:33

週刊BCN 2021年08月23日vol.1887掲載

 メールによるファイル送付の際に暗号化zipを送信した上で、別メールで復号のためのパスワードを送る手法を指す。「Password付きzipファイルを送ります」「Passwordを送ります」「An号化(暗号化)」「Protocol」の先頭の文字を取った言葉で、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)に所属していた大泰司章氏(現・PPAP総研代表社員)が、当時流行していたフレーズ「PPAP」にちなんで命名した。

 元々はメールの盗聴や誤送信の対策だったが、現在では効果はほとんどないとされている。また、暗号化されたファイルを元に戻す手間が発生し、スマートフォンなどで作業するには使い勝手が悪いなどのデメリットがある。さらに、zipそのものが暗号の強度が十分でないほか、添付ファイルが暗号化されていることでゲートウェイ型のウイルス対策が機能せず、マルウェア攻撃に利用されやすいなどの問題もある。

 2020年11月に平井卓也・デジタル改革相が内閣府と内閣官房でPPAPを廃止すると公表。企業では日立製作所が社内で禁止し、ほかの大手ITベンダーも取りやめる動きを強めている。

 代わりの方法は、BoxやOneDrive、DropBoxなどのクラウドストレージ、SlackやTeamsなどのチャットツールの利用が一般的で、最近では「脱PPAP」をうたうサービスも登場している。 
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