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「AIOps」の用語解説、運用によるメリットは?

2022/01/18 18:33

週刊BCN 2022年01月17日vol.1907掲載

 「Artificial Intelligence for IT Operationsm」(IT運用のための人工知能)の略で、読み方は「エーアイオプス」。AIにITシステム運用業務に関するビッグデータを学習させ、作業の自動化や効率化につなげる方法を指す。システム内のイベントやログ、CPU使用率、メモリ使用量、ネットワーク状況などの多様なデータを自動的に収集・分析、パターンを検出して、問題の原因特定や将来の脅威に対する予防などにつなげる。

 ITシステムの大規模化、複雑化などに伴い、障害発生時の影響はより深刻化しており、運用担当の作業負荷も膨大となっている。AIOpsはAIの能力をIT運用に活用することで、障害への対応力を高めるとともに、運用担当者の負担も大きく減らすことができる。将来的には運用業務の大半を自動化でき、多くの障害を未然に防ぐことも可能とされている。

 AIOpsプラットフォームは多くのベンダーから提供されており、競争はさらに加速していくとみられる。複数の調査会社によると、AIOps市場は大幅な成長が見込まれている。

 AIOpsの運用にあたっては、効果を生み出すまでに、AIに学習させるためのコストや運用できる人材の育成が必要となり、スムーズな導入を実現するには、相応の準備が求められる。

 さらに、データやAIのアルゴリズムの組み合わせによっては期待した成果が出ないこともデメリットとして挙げられる。
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