視点

「ChatGPT」で進化するソフトウェア開発

2023/02/08 09:00

週刊BCN 2023年02月06日vol.1956掲載

 「ChatGPT」はもう試されただろうか。昨年11月末の新バージョンは世界中で注目を集め、リリース後6日にして登録ユーザーが100万を突破したと話題になっている。

 このツールになじみのない方への紹介を兼ねて、「ChatGPTの意味を教えてください」という質問をChatGPTにしてみたら、「ChatGPTは"Conversational Generative Pre-training Transformer"の略です。(中略)つまり、対話に特化した文章を生成する事前学習済みのニューラルネットワークのモデルであると言う意味になります」というまともな答えが返ってきた。

 次に用途を質問したら、「ChatGPTは自然な文章を生成することができるため、さまざまなタスクに使用できます。1.質問応答 : ChatGPTを使用することで、自然な言語での質問に対して適切な回答を生成することができます。2.対話 : ChatGPTを使用することで、人間のような自然な対話を生成することができます。3.文章生成 : ChatGPTを使用することで、小説やニュース記事などの文章を生成することができます。4.機械翻訳 : ChatGPTを使用することで、自然な翻訳を生成することができます。5.音声合成 : ChatGPTを使用することで、人間のような音声を合成することができます。6.文章の意図の把握 : ChatGPTを使用することで、文章の意図を把握することができます。などが挙げられます」と答えた。

 また、「ChatGPTをプログラミングに使えますか」との質問には、「はい、ChatGPTはAPIとして提供されており、プログラミングに使用することができます。(中略)また、ChatGPTのモデルは、OpenAIがgithubで公開しているので、それを使って独自にプログラミングすることも可能です。(中略)ChatGPTを使用するための知識やスキルはある程度必要になりますが、APIを使用すれば、ChatGPTを使用するための知識やスキルを持っていなくても、簡単に実装することができます」との回答が戻ってきた。

 この1月には、米Microsoftが、自然言語による対話を実現するGPT-3.5、自然言語からプログラムコードを生成するCodex、テキストから画像を生成するDALL-E2などを含むAzure OpenAI Serviceの提供を開始した。

 どうやら私たちは、ソフトウェア開発環境や開発手法が劇的に進化する新しい時代の入り口に立っているようだ。

 
株式会社SENTAN 代表取締役 松田利夫
松田 利夫(まつだ としお)
 1947年10月、東京都八王子市生まれ。77年、慶應義塾大学工学研究科博士課程管理工学専攻単位取得後退学。東京理科大学理工学部情報科学科助手を経て、山梨学院大学経営情報学部助教授、教授を歴任。90年代に日本語ドメインサービス事業立上げ。以降ASP、SaaS、クラウドの啓蒙団体設立に参加。現在、「一般社団法人 みんなのクラウド」の理事を務める。
  • 1