北斗七星

北斗七星 2001年12月24・31日付 Vol.922

2001/12/24 15:38

▼「スターウォーズ エピソードI」のDVDに収められたメイキングシーンを見た。現在のコンピュータグラフィックスの進歩は、間違いなく映画産業に大きく寄与していることがよくわかる。現実には存在しない生物や宇宙を表現するために使われているのは、プレス向け説明会で紹介された最新技術だ。メイキングビデオは、映像表現に関する最新のテクノロジーを紹介する説明会といっても過言ではないくらいだ。

▼このDVDを見て最も驚かされたのが、映画が公開される前、宣伝用にウェブサイトで公開されたコンテンツの数々だ。スターウォーズはパソコンマニアにも人気のシリーズということで、インターネットで先行して情報を公開し、ファンの心を煽った。今、改めてDVDで見ても非常にクォリティが高く、見応えがある。

▼2001年は、日本のインターネット広告市場にとって暗いニュースばかりが続いた1年だった。これまで広告で大きな収入を得てきた企業が次々に決算の下方修正を行っていった。「インターネット広告そのものに市場性があるものなのか」という疑問まであがったのだが、果たしてそうだろうか。米国ではスターウォーズのように、ウェブサイトでの煽りが功を奏してヒットした映画が誕生している。すべてのインターネット広告が駄目だというのではなく、素材によっての向き、不向きがあり、さらに、広告を制作する側のさらなる努力が不可欠ではないのか。日本のテレビコマーシャルは、世界的に見て、予算もふんだんにかけられているし、クォリティが高いことでも定評がある。02年にはインターネットの分野でも、世界をリードする広告が日本発で登場することを望みたい。
  • 1