▼IT業界に衝撃が走るような、米国発の大ニュースがめっきり少なくなった。昨年の9・11事件以降、社会的な不安が続いているためだろうか。エンロン、ワールドコムと、米国企業の存在価値を問い直すような事件が続いたせいだろうか。IT業界の業績が伸び悩んでいる影響もあってか、日本市場にも大きなインパクトをもつ発表がなかなか出てこない。

▼IT業界外のニュースのインパクトが強すぎるせいのような気もする。日本のニュースを見ても、小泉首相の突然の訪朝、北朝鮮の金総書記が拉致を認めるなど予想を超えたスピードで事態が進展していく。IT業界の進化の速さは、ドッグイヤーと例えられるが、社会全体の動きの速さがそれを超えてしまったかの如く、思わぬ方向に次々に進展していく。それに比較してIT業界のニュースのインパクトが小さく思えてしまうのかもしれない。

▼しかし、待てよと考え直してみる。確かにパソコンも誕生から20年を超え成熟期を迎えたことは確かだが、まだまだ発展途上の部分は少なくない。現在の製品で十分に事足りると考えるのは、IT業界内の驕りだろう。いくら社会の変化の速度が早まろうとも、それを超えるインパクトを与えるような製品を開発していく気概と機運がなければ、IT業界の発展は止まってしまう。特に米国のIT業界が停滞している今の時期だからこそ、日本企業が奮起し、市場を牽引するくらいの心構えをもつべきだ。