旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->15.ローマ(1)

2002/10/14 15:27

週刊BCN 2002年10月14日vol.961掲載

 雪のアルプス連峰を越えてローマに到着。羽田の5倍もある大空港である。通貨を交換して、今までの各国と違って、イタリアのリラが日本円より安いことを知った。空港から市内に通じるハイウェーの両側に、独特の姿の松並木が続いていた。ホテルはローマの玄関口であるテルミニ駅前の広場に面した古い建物で、初めてみる鎧戸が珍しかった。

 古代ローマ人は古代から中世にかけて数々の戦いを制して、遂に地中海全域を支配する大帝国を築いた。市内至る所に残る巨大な建造物は、古代ローマ人の凄まじい偉業を今に伝えていて、訪れる者を圧倒する。

 朝、ローマ発祥の地、7つの丘のひとつであるジャニコロの丘に着き、ローマ市内を一望する。その後、ローマ市内にあるもうひとつの独立国、ヴァチカン市国のサン・ピエトロ寺院に向かう。

 世界のカソリック教会の総本山で、最大・最豪華な大寺院で、大きな広場を前にして建っている。世界で最も美しい広場といわれ、40万人の信者を収容できる。その広場を囲む柱廊の上には140人の聖人像が並び建って広場を見下ろしている。

 直径42メートルの威容を誇る大ドームはミケランジェロの設計によるものである。警護の衛兵はスイス兵で、その服装はミケランジェロのデザインである。

 当日はデモをする群衆のために、しばしば交通が渋滞した。イタリアは昼休みを2時間以上たっぷり取るので、この間商店は一度店を閉めてしまう。バスの運転手もガイドも昼休みのために一度ホテルに戻ると言う。そうでなくても混雑する車が、帰宅と出勤が重なり益々渋滞してしまう。我々には理解できない風習である。そのために時間がなくなり、残念ながら有名なスペイン広場は車窓から眺めるだけになってしまった。
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