北斗七星

北斗七星 2004年3月1日付 Vol.1029

2004/03/01 15:38

週刊BCN 2004年03月01日vol.1029掲載

▼「ヤフーBB」の契約者情報流出問題が衝撃を与えている。同社の顧客情報の一部が流出し、これを使って現金を脅し取ろうとした容疑で4人が逮捕。ソフトバンクBBは1日に2度も会見を行い、大手日刊紙も1面で取り上げた。企業がもっている個人情報の流出が大きな社会的関心を集める時代になったことを示す事件である。

▼そんな時代を反映してか、損害保険会社各社は個人情報漏洩による損害を補償する保険商品を発売している。ある商品は、たとえば裁判で被害者へ賠償金を支払わなければならなくなった場合、最大1億円の保険金を支払うという。

▼昨年、大手コンビニエンスストアの会員情報約56万件が流出するという事件があった。このときは、お詫びとして会員約115万人に500円の商品券を送付した。その総額がなんと5億7500万円。発送費など商品券以外のコストも加えると、事故処理にかかった費用は莫大なものになる。個人情報の流出が企業にとっていかに重大な問題であるかを、今一度認識する必要がある。

▼というわけで、BCNでは今号から新連載をスタートする。題して「どう守る!?個人情報~Pマーク取得への道程~」(9面参照)。個人情報保護の考え方、個人情報保護とプライバシーマーク、その取得までの取り組みなどを解説していく。奇しくも第1回の見出しは「個人情報の漏洩は人災」。情報は内部から流出するケースが多いという。決して〝天災〟ではない。
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