ソウルの街角から

<ソウルの街角から>25.社長とラブショット

2004/03/29 19:47

週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載

 職場の同僚とぎくしゃくする時、コミュニケーションが上手くいかない時の解決策として、韓国のサラリーマンの多くが「一緒に飲みに行く」と答えた。これは日本のサラリーマンたちに聞いても、同じ答えが返ってくるのではないだろうか。

 あるリクルートサイトが韓国サラリーマン1263人を対象に「職場の同僚と上手くいかない時、どうやって解決しますか」と質問したところ、30.9%(390人)が一緒に飲みに行くと答えた。対話で解決すると答えた人も27.3%(345人)と多かったが、驚いたことに積極的に解決したくないという答えも29%に達した。

 無視するか堪えると答えた人が20.7%(261人)で、避けるのが上策、他の会社に移ると答えた人も8.8%(111人)いた。また、その同僚と親しい人に助けを求める(6.4%)、上司に助けてもらう(4.5%)など、他人に協力してもらうと答えた人も結構いる。何かプレゼントするという答えも1.4%(18人)いた。

 どうせ飲むなら、上司や同僚ともう少し楽しく飲めるようにと工夫されたボードゲームが、韓国ではインターネット経由で人気を集めている。1980年代人気を呼んだボードゲーム(人生ゲームやモノポリー)のように2つのさいころを投げてこまを動かし、ボードに書かれている指示に従うゲームだ。

 これは仁川のあるカフェで作ったものを、常連たちが面白いものがあるとインターネットユーモア掲示板に載せたのがきっかけで、各種ポータルサイトの人気検索キーワードになりブームとなった。

 ボードには「社長とラブショット」、「部長におつまみ」、「ストローで一気飲み」、「踊りながら焼酎3杯」など異色な指示が並び大いに盛り上がれる。ラブショットは向かい合って腕をからめて同時に飲む、または小指で指きりして同時に飲むポーズのこと。

 最近の若い世代は一気飲みを嫌い、その場の雰囲気に酔い、ほろ酔いでおしゃべりするため飲みに行く。酒を飲ませるためだけのゲームなんて始めたら嫌われ者になる近道だ。また、仕事とプライベートをきっちり分けたがる人も増え、会社の会食を嫌う新入社員も多く、どんなに誘っても会社から一歩離れるとそそくさと消え去り、電話も通じない強者も多い。

 就職難といいながらもすぐ転職を考える20-30代だが、同僚や上司との関係が上手くいけば自然と仕事も面白くなるはずだ。私が以前勤めたベンチャーの場合、社員たちの仲が良過ぎて毎日集団で飲み歩くために仕事をし、終電を逃しては会社でまた飲んで寝るスゴイ人が多かったが、これも困るかな?
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