IT業界ここがポイント

<IT業界ここがポイント>8.地上デジタル放送

2004/05/31 15:27

週刊BCN 2004年05月31日vol.1041掲載

2003年12月1日、地上デジタル放送スタート。NHKは70%がハイビジョンに。(BCN2003年12月1日号)

 地上デジタル放送は、日本全国に普及した1億台以上のテレビすべてをデジタル化しようというものだ。昨年12月1日、まず東京・大阪・名古屋から放送がスタートした。すでにワールドワイドでも11か国で、また衛星によるデジタルでは60を超える国と地域で始まっているという。

 大きな特徴は、電波としてUHFを使用する点、そして走査線数が525本から1125本と高精細になり、画面の縦横比も3対4から9対16にワイド化している点だ。これにより高精細で迫力あるハイビジョン映像を満喫できる。また、デジタルなので質を落とさず圧縮して送信でき、1つのチャネルで3本分の番組を扱える。さらにCD並み音声も楽しめるし、データ放送によりニュースや気象情報、そして名古屋のように休日診療所を案内するなど地域情報も充実する。最近では、圧縮技術MPEG4で携帯電話による受信も注目されるほか、インターネットとの併用など、放送と通信融合時代への期待もかかっている。

 受信には、新たに対応可能なテレビを購入するか、従来型テレビでは専用チューナを接続する。例えば薄型30インチクラスでインチあたり1-2万円、チューナーは7万円程度といったところだ。日本情報技術産業協会(JEITA)によれば、2004年1-3月のテレビ、チューナーなど地上デジタル放送受信機の国内出荷合計は72万2000台。昨年の放送開始直前までの31万1000台と比べると2.3倍の伸びをみせている。

 今後7年かけて11年には完全なデジタル化を実施する。そうなると、いまのアナログテレビは使えなくなってしまう。地上デジタル放送は、国を挙げての取り組みだ。
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