北斗七星

北斗七星 2004年6月28日付 Vol.1045

2004/06/28 15:38

週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載

▼6月下旬と言えば、株主総会のシーズン。いつもは雨がしとしと降る季節なのに、いきなり台風が来てその後に真夏日が来ると、どうも調子がおかしくなってしまうが、ともあれ年に1度のイベントを無事に終え、ホッとしている人もいれば、これからが本番という人も多いだろう。今年は役員報酬の個別開示を求める株主の声が強まっているという。個々の役員の奮闘ぶりに株主の注目が集まっているわけだが、なかでも一番胃の痛む思いをしているのはやはり社長だろう。

▼社長職という立場が、これほど厳しい目に晒される時代はかつてなかったのではないだろうか。金融機関という〝顔〟が見える相手と対話するのではなく、〝マーケット〟と対話するには、まだ日本企業は米国ほどしたたかではない。特に2001年のネットバブル崩壊以降、トップに立つことの恐さを実感した経営者も少なくないだろうし、実際、大手IT企業の社長就任期間も2期4年前後で退くケースが多くなったような気がする。

▼緊張の連続を強いられる社長業は、4年あたりが限界なのであろうか。だが、翻って米国はというと、有力なIT大手ほど社長の在任期間が総じて長い。新しいITビジョンを次から次に示すことで、風圧をはね除けていく様はパワフルそのものだ。そろそろ日本のIT業界にも、もう少し長い目でITの将来ビジョンを描き、内外にその存在をアピールしうる〝華〟のあるトップがもっと登場しないかと思うのは、北斗子だけだろうか。
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