旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->81.おわら風の盆と飛騨の旅-(2)3回目にようやく達成

2004/11/01 15:27

週刊BCN 2004年11月01日vol.1062掲載

 9月1日の本番は大混雑で駄目、個人旅行にも難があるので、今回は8月24日から2泊3日の団体ツアーに参加した。早朝羽田を出発、富山空港に着き市内観光。北前船時代の繁栄を物語る回船問屋を見学。八尾の町は3度目なので親しみがあり、そぞろ歩きが楽しい。

 観光会館のホールで本格的なおわら踊りを観客席から観た。甲高い声で切々と唱い、三味線、胡弓が哀調の旋律を奏でる。それに合わせて編笠姿の若い男女がゆったりと優雅に舞い踊る。いつしか観客は物哀しい情緒の世界に引きこまれていった。これぞ“おわら”と感動した。

 その後、会館内に展示されている八尾の誇る華麗な曳山3台(総数6台)を間近に観賞した。飛騨の木材と名工達の手による豪華絢爛な曳山は、かつての八尾繁栄の証しであり、毎年5月3日に旧町内を練り歩くという。

 午後7時、いよいよ待望の“町流し”が始まった。会場は前夜祭当番の諏訪町で、ここは日本の道路百景に選ばれた無電柱の石畳の街路が美しい。道の両脇を流れる用水の水音が心地よい。子供達を先頭にしてゆっくりと踊りが進んできた。道路の両側は観客で身動きできないが、4列の若い踊り手達の姿はよく見えた。その後ろに唄い手と三味線、胡弓が続く。とても盆踊りとは思えない粋で優雅な踊りに感動し、心を奪われた。

 踊り手達が通り過ぎると、急いで裏道を先回りして再び町流しを観賞した。八尾を訪れること3度、やっと想いを果たしたが、充分な時間がなく未練を残して富山へ帰った。次回は個人で来てもっとゆっくり深夜の町流しと輪踊りを観たい。
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