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PDPテレビで突き進む

2005/10/03 15:27

週刊BCN 2005年10月03日vol.1107掲載

 「私の頭の中では、約60%をテレビ事業が占めている。テレビは家電メーカーの象徴だから」と語るのは松下電器産業の中村夫社長。このほど発表した65V型のプラズマディスプレイパネル(PDP)テレビを前に、画質の良さや海外市場での好調さを強調する。

 薄型テレビ市場は、低価格化が進み、普及に必要と言われる「1インチ1万円」の価格を実現する製品も競合他社から登場してきた。まさにこれからが正念場だけに、中村社長が語る「60%」という数字も、それだけテレビ事業への傾倒を示すものだろう。

 PDPと液晶の両パネルを保有する松下は、BCNランキング(9月12-18日の週次データ)によるとPDPテレビ市場ではシェア58.7%でトップ。だが、液晶テレビ市場では12.6%(同)どまりで、1位のシャープに35ポイント以上の差をつけられている。

 「画面のサイズでパネルを使い分ける」というのが松下の戦略。液晶でも大画面化が可能なことをシャープが証明してみせただけに、いかに両パネルを使い分けて薄型テレビ市場のシェアを上げていくかがポイント。中村社長は、「37V型以上はプラズマ」と言い切る。第3工場(兵庫県尼崎市)も2か月前倒しで稼動開始。生産性向上にも盤石の体制ができたという自信の表れだろう。
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