北斗七星

北斗七星 2006年4月17日付 Vol.1134

2006/04/17 15:38

週刊BCN 2006年04月17日vol.1134掲載

▼通信と放送の融合が、さまざまな話題を提供しているが、少し別の側面から考えてみたい。現在の議論の方向は、たとえばテレビ局の持っているコンテンツをどうやってインターネットに流すか、といったテーマがメインとなっているが、コンテンツという視点から考えると、それは側面の一つに過ぎないと思う。いってしまえば、テレビ局の持っているコンテンツがそれほどすごいの?ということだ。

▼新聞も含めて、今の大手マスコミはどんどん退廃の方向に向かっていると考える者の一人である。これまでの規制緩和では、マスコミだけが実質的に除外されてきた。怖くて手が出せないということなのだろうが、対抗勢力がなければ腐敗するのは世の常だ。昼間のテレビを見ることがあるのだが、そのレベルの低さにビックリする。見るに耐えるレベルの番組は殆どない。視聴者のレベルに合わせているのだとテレビ局は主張するだろうが、これほど国民を馬鹿にした言い訳はない。要するに、対抗勢力がないための退廃だろう。

▼その対抗勢力になりうるかもしれないと思うのが、インターネットの世界である。いまは、言論においても、まさに玉石混淆だが、玉もあるのではないか。昔、テレビ視聴は受動的にできるが、パソコンの操作は能動的人間でなければできないと聞いたことがある。いまブログを立てる人はまさに能動的な人間であろう。こうした層から、見るに耐え、読むに耐える成果物が生まれてくるのではないか、そんな期待を抱いている。
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