北斗七星

北斗七星 2006年10月9日付 Vol.1157

2006/10/09 15:38

週刊BCN 2006年10月09日vol.1157掲載

▼久しぶりに政府のIT戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)のホームページをのぞいてみたら、おかしなことに気がついた。最新の会合は、8月2日に行われたIT新改革戦略評価専門調査会である。IT新改革戦略に対する政府の取り組み状況の評価などを行うための調査会で、IT業界からはリコーの桜井正光社長が参加している。その議事録なのだが、発言者名が載っていないのである。これはおかしい。委員は皆、「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関し優れた見識を有している者」のはずである。なぜ、名前を隠す必要があるのか。6月1日に行われた第37回会合の議事録には実名が入っているので、調査会は別扱いということなのか、それとも今年度からは他の会合でも実名は出さないのか。

▼もう一つおかしなことに気がついた。予算関係の資料がどんどん薄くなっているのである。平成15年度までは「主要施策」など3つの資料が公表されていた。もっとも詳しいのは「主要施策」別データで、たとえば、外務省は旅券発給管理システムの整備に44億3300万円を投じているなどがつかめた。ところが、平成16年度からはこの「主要施策別」資料を消し、「府省別」「分野別」としてごく簡単なデータしか公表しなくなっている。しかも、18年度にいたっては「分野別」すら消してしまった。電子政府の旗振り役であるはずのIT戦略本部が、情報の出し惜しみに入っているように見える。要注意である。
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