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薄利多売でもやめられない

2006/11/20 15:27

週刊BCN 2006年11月20日vol.1163掲載

 ダイワボウ情報システム(松本紘和社長)の2006年度(07年3月期)中間期におけるパソコン販売台数は、ほぼ前年並みの52万5000台だった。しかし、国内市場が落ち込んでいることから、マーケットシェアは8.8%と前年同期よりも0.3ポイントアップした、とみている。

 パソコンは、単価下落が続いている。なかでも法人市場では低価格化が著しい。法人市場の売上比率が7割程度を占める同社にとっては、さまざまな製品のなかでもパソコンは台数を増やせても金額が伸びない製品。実際、パソコンの売上高は619億9000万円(前年同期比8%減)と伸び悩んでいる。果たして、このような状況のビジネスが同社にとってメリットになるのだろうか。

 松本社長は、「パソコンを販売しないとなると周辺機器やソフトウェアなどが売れなくなる」とする。利益率の高い関連製品だけに特化しても“本体”であるパソコンも用意しておかなければ、販売代理店やユーザー企業のニーズに対応できないというわけだ。しかも、パソコンを扱っていないとなると、コンピュータ関連の総合ディストリビュータとはうたえない。

 「パソコンは利益率が低いんだけどねぇ・・・」と松本社長。しかし、販売しなくなれば本体以外の販売に影響をおよぼす。IT業界全体がパソコン販売の善し悪しを問い続けているなか、薄利多売でもやめらないジレンマがある。
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