▼ドイツ・ハイリゲンダムの先進国首脳会議(G8サミット)は、地球温暖化を防止するため「最大限の努力をする」ことで合意した。目標年を2050年と定めたものの、排出ガス削減量の数値目標を設定せず、代わりにアメリカを同じ土俵に乗せ、中国、インドを巻き込むことに成功した。地球存亡の危機というのに、政治とはなかなか一足飛びに行かないものらしい。

▼型式が12年以上前の車種は自動車税が高い。最新モデルに買い替えなさいということだ。おかげでトヨタはハイブリッド3車種で100万台を達成したという。テレビも4年後に全取っ替えに突入する。パソコン、プリンタ、モニタ、ルータ、携帯電話、USBメモリなど家庭用デジタル機器も買い替えが頻繁だ。次から次に「省電力」「省資源」を売り物にした新製品が投入され、それで市場はにぎわっている。買い替え需要こそ日本経済のよって立つところだから、環境保護とばかりは言っていられない。環境保護と経済は盾と矛の関係にある。

▼買い替えは旧来製品を引き取ることを意味する。中古機器の多くは、東南アジアや中東に輸出される。自動車や冷蔵庫などは再利用されるらしいが、デジタル機器は解体して再資源化するしかない。粉塵対策も有害ガス対策もなく、労働対価は驚くほど安い。途上国に“リサイクル公害”を押し付けていないか。いい物を使い続けるほうが、結局は環境負荷が小さいという。G8では「MOTTAINAI」の精神を確認してほしかった。