【本郷発】今週の「旅の蜃気楼」は楽屋話です。まずは、写真の説明から。この3月に生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしているのは、「週刊BCN」の第8代編集長の谷畑良胤です。まだ首がすわっていない赤ちゃんなので、抱きにくいはずなのに、どうしてどうして、堂に入ったものです。つい先日、育児休暇中の田沢理恵元記者が赤ちゃんを編集部に連れてきてくれました。「隼作くん」といいます。物静かな男の子で、抱くと赤ん坊独特の甘くて愛くるしい匂いがしました。

▼さて、谷畑編集長はこの5月に就任したばかりで、赤ちゃんもニューフェースといったところが共通点。誕生したばかりというのは、どんなしぐさも初々しくて、新鮮だ。谷畑編集長の就任記事を週刊BCNに掲載したら、多くの取材先の方々からお祝いの言葉をいただいた。本人いわく、「編集長って、すごいですね」。「なにが?」「待遇が違うんですよ」「なんの?」「その、あの、待遇ですよ」。編集長就任と同時に取材先で受ける待遇が変わってきたことと、紙面に負う責任の重さに戸惑いの日々という。編集長といってもいろんなタイプがある。各号の編集方針を決め、紙面の刷り上がりまでをすべて取り仕切るタイプ。紙面に責任は持つが、記者それぞれの記事をうまく吸い上げて紙面を構成するタイプ。さらには自分で取材をして記事まで書くタイプもある。谷畑編集長はどんなタイプになるのだろうか。

▼編集長という肩書きについている“編集”の意味は深い。尊敬する編集者がいる。2000年12月28日に亡くなった斎藤十一さんだ。週刊新潮を創刊し、この人が新潮社の編集遺伝子を作り上げた人物だと思っている。好きな姿勢がある。「編集者は徹底的に黒子である」といって表舞台には出なかったことだ。小林秀雄、太宰治、松本清張らを次々と世に出し、出版社初の週刊誌を作った伝説のワンマン編集長だ。かつてAERAに掲載された1ページ大の顔写真は、マッカーサーばりのパイプをくゆらせている姿だ。存在感がある。

▼乳の匂いを漂わせる赤ちゃんも存在感を持っている。週刊BCNも読者の皆さんに存在感を感じていただける紙面をお届けします。(BCN社長・奥田喜久男)