北斗七星

北斗七星 2007年9月17日付 Vol.1203

2007/09/17 15:38

週刊BCN 2007年09月17日vol.1203掲載

▼身内の話で恐縮だが、10年ほど前、息子が社会人になった時に「新聞は何を読む?」と尋ねたことがある。おそらく日経か朝日あたりかと見当をつけた問いに対して、彼は「新聞は購読しない。ネットで読む」と答えた。活字の紙媒体の制作に携わる身としては一抹の寂しさを感じたものの、まだ「へぇー、最近はそんな傾向なのか」という程度の感想だった。

▼だが、新聞離れの実態は想像を超えるスピードで進んでいるようだ。ネット先進国の米国では、経済面ではお馴染みの株式欄を削除してしまった有力紙がある。刻々と変化する株価を紙上で取り上げても仕方がない、速報性に優るネットに任せようという判断らしい。

▼8月3日の朝日新聞には、ショッキングな記事が掲載された。「脱ペーパー 動く米紙」というタイトルのその記事によれば、ニューヨーク・タイムズでは新聞とウェブサイトの一体化を進め、記者がビデオやブログを操るそうだ。ハーバード大学ケネディスクールの報告では、18─30歳の64%が「新聞を日常の情報源として使っているか」の問いに「ノー」と答えている。一方で全米各紙のウェブサイト閲覧者は増加の方向にあり、NYタイムズでは月間6億ビューにも達しているとされる。

▼今年初から、BCNはネットとペーパーの融合を戦略目標として掲げ、研究を進めているところだ。紙媒体の強みである「信頼性」とネットの「速報性」を生かしたいと、産みの苦しみを味わっている最中である。
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