Letters from the World

プリウスが売れる理由

2007/10/22 15:37

週刊BCN 2007年10月22日vol.1208掲載

 シリコンバレーで今一番売れている車はトヨタのプリウスである。

 豪華ソーラー設備を本社の屋根につけてピーク時の電力の3割を賄っているグーグルの創業者2人は、ジェット機も持ち、プリウスも所有している。アップルのウォズニアック氏もプリウスを時速167キロで乗り回して捕まった。地球温暖化と戦うアル・ゴア元副大統領の令息(同じくプリウスでスピード違反)に、時速2キロ及ばなかった。プリウスはみんなの車だ。

 売れる背景にはガソリン価格の高騰、エコ意識の高まりに加え、「シビックはハイブリッドかどうかが傍目に分からないけどプリウスなら一発で分かるからね」(ディーラー)という微妙な消費者心理も。どうせならエコな自分をアピールしたいということだろう。カリフォルニア州の場合、渋滞の時間帯は高速道路の追い越し車線が乗り合い専用となるが、州認定ハイブリッド車はシールを貼ると運転手一人でもここを走れる。

 そんなわけで私も買ったが、残念ながら購入日にシールは定員一杯に。でも鍵を差し込まなくて良いところ、一時停止するとエンジンまでコトンと止まる潔さが割と気に入っている。(サンフランシスコ発)
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