Letters from the World

SPAMが儲かる仕組み

2007/12/10 15:37

週刊BCN 2007年12月10日vol.1215掲載

 メールボックスを開くと、いやというほどの数のSPAMと称される広告メールが届く。だが、SPAMで広告していますと公言する企業は存在しない。では、SPAMはどのようなビジネスモデルで運営されているのだろうか。

 広告主は自分たちが売りたい製品に興味を抱く顧客をサイトに集めたいと思っている。ペイ・パー・クリックの媒体ではバナーや広告の表示回数に対して0.15%のクリックスルーがあるといわれている。バナーが1万回表示されて15回クリックされる勘定だ。このクリックに対して広告主はお金を支払う。

 SPAM業者は、例えば、時計やコンピュータのSPAMを何千万通も送り出す。これに0.003%の人が反応するのである。そう、SPAMに返事をする人が実際にいるのだ。1000万通の発信に反応した300人、この情報をSPAM業者は企業に1人20ドル前後で販売する。同じ情報を複数の企業に売るので、300人の情報が1万ドル前後にもなる。

 情報を買った企業にはSPAMから得たという認識はあっても、自社でSPAMを行ったという罪悪感はない。こんな事情があるから、SPAMが世の中から消えることは考えられないということになる。(サンノゼ発)
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