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新卒よりも中途採用に苦戦

2008/02/11 15:37

週刊BCN 2008年02月11日vol.1222掲載

 ITベンダーの90%近くが技術者不足を感じている──。情報処理推進機構(IPA)が1月下旬に公表した「IT人材市場動向予備調査」でこんな結果が浮き彫りになった。

 ITベンダー357社から得た「人材量の過不足感」に関するアンケートで、28.3%が「大幅に不足している」と答え、59.1%が「やや不足している」と回答。実に、87.4%の企業が人材不足を感じている。海外の技術者を活用したオフショア開発が増えているが、人的な国内ITリソースは依然足りないようだ。

 一方で、こんな興味深いデータも同調査で明らかになった。「今年度新卒採用の目標達成度」と題したアンケートでは、「目標どおりまたは目標以上に採用できた」との回答が51.3%に及んでいる。12.9%は無回答で、「目標を下回った」との回答は35.8%にとどまる。ITベンダーの多くは、新卒社員の採用にはさほど苦労していないのだ。

 「3K(きつい・厳しい・帰れない)」といわれ、“嫌われ業界化”しているIT産業。ベンダーは新卒採用に苦戦していると思ったが、実はそれ以上に手を焼いているのが中途採用だ。

 経験豊富でスキルが高い日本のIT技術者が、外資系企業に流出したら、日本のIT技術レベルはどうなってしまうのだろうか。学生の人気獲得も大事だが、目下の状況をいえば、それを気にしている場合ではない気もする。(鈎)
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