立ち話

サイボウズ 青野慶久社長

2008/03/31 19:47

週刊BCN 2008年03月31日vol.1229掲載

 2007年の国内グループウェア市場でトップの座を日本IBMから初めて奪い取ったサイボウズ。昨年度(08年1月期)の業績も好調で、青野慶久社長は次の成長に向けて、海外マーケットに強い関心を寄せている。

 07年6月には上海に子会社を設立し、今年度から中国市場に打って出るほか、大規模システム向けグループウェア「サイボウズ ガルーン」の国際化を検討。ベトナムには開発拠点を設けるなど、着々と準備を進めている。

 ただ、海外ビジネスでは苦い経験がある。今から約7年前の01年、米サンフランシスコに子会社を設立して米国市場に進出したが、その後、数年で撤退。多言語対応したグループウェアをネットマーケティングで世界展開したものの、業績に貢献する結果はあげられなかったことがある。

 それでも青野社長が果敢にチャレンジするのは、「日本市場だけにとどまっていたら、将来的に生き残っていけない」という危機感と、中国やインドなどの市場に日本以上の有望性を感じているからだ。海外での販路をどう構築するかを思案中で「場合によってはM&Aも有り得る」と、これまで以上に本気の姿勢を示していた。
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