▼久しぶりに質の高いドキュメンタリー番組を目にした。NHKが6月22日21時から放送した「沸騰都市『ダッカ“奇跡”を呼ぶ融資』豊かさへの大脱出─巨大NGOの挑戦─」である。ブラック(BRAC)というNGO (非政府組織)が、ベンチャー企業や貧しい個人に対し、担保なしで融資、貧しさから抜け出すきっかけを与えているという内容だった。バングラデシュは、世界の最貧国の一つに数えられるが、その国の人々が、希望に満ちあふれ、弾けるような笑顔で豊かさへの挑戦を重ねている──その姿が印象的だった。多分、戦後すぐの日本にもこんな雰囲気がそこかしこにあったのだろうなと思った。

▼産業としては、人件費の安さを武器に、縫製業がまず立ち上がっているという。その点も戦後の日本がスタートしたのと同じだ。国というのは変われるものだと実感したのは韓国を見たときだ。最初に韓国を訪れたのは1972年だったが、当時は観光バスが停車すると子供たちが物売りに群がってきたものだ。それが、2000年に訪れたときはインターネットでは日本を追い抜く先進国になっており、ネットカフェが流行っていた。あの熱気を見る限り、バングラデシュも大きく変貌していくことは間違いないだろう。

▼ひるがえって日本、明るい未来を期待していいのかどうか。最近の暗いニュース(秋葉原の無差別殺傷事件、あるいは超高齢社会における後期高齢者問題など)を見ていると、つい悲観的になってしまう。