立ち話

マイクロソフト 堂山昌司副社長

2008/07/21 19:47

週刊BCN 2008年07月21日vol.1244掲載

 「今はじっくりと戦略を練る時期。焦らないことが大切だと思っている」。マイクロソフトの代表執行役副社長に就任した堂山昌司氏は、記者との談話で、担当するコンシューマー&オンライン事業の方針についてこう述べた。

 堂山氏は、樋口泰行社長が半年前から引き抜き交渉を始めて口説き落とした人物で、前職はレコード会社大手のEMIミュージック・ジャパンの社長兼CEO。ソニーに勤務していた経験もある。樋口社長とは同じ大学院で学んだ仲だとか。

 「マイクロソフトは、世界レベルでコンシューマ向けビジネスを立て直そうとしている。その中に入って仕事することに魅力を感じた。ヒューストン前社長と樋口さんの人柄にも魅かれた」と移籍の理由を語っている。

 堂山氏が以前活躍していた音楽業界は、販売チャネルが大きく変化している。楽曲の提供方法として、CDをショップやECサイトで販売するスタイルから、インターネットを通じた配信モデルへと移り変わりつつある。その動きは、パッケージからサービスへとシフトするソフト業界と酷似する。

 そうした流れを肌で感じてきた堂山氏のノウハウ注入は、マイクロソフトのコンシューマ向け事業にとって不可欠要素だ。彼が焦らずじっくりと練った戦略は、同社のコンシューマ事業を左右するのは必至なだけに、注目に値する。
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