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<ニュースその後を検証>アルゴ21 「V字回復」目指し責任体制強化

2009/02/23 15:38

週刊BCN 2009年02月23日vol.1273掲載

●2003年2月24日 vol.979 9面にて報道

 2003年は金融機関の不良債権処理などの影響で、3月に日経平均株価が7300円台で推移するなど「経済危機」が叫ばれた年だ。後半にはりそな銀行に対し公的資金が注入されるなど、「デフレ脱却」へと向かった。

 金融機関のシステム構築に実績のあったアルゴ21は03年3月期の通期業績予想を前月の2月に、最終赤字に突入すると下方修正。この時、翌年度(04年3月期)の「『V字回復』を目指す」(大岡正明社長=当時)と、本紙記者の単独取材の際にこう語った。

 「独立系の雄」と尊ばれたアルゴ21は07年6月、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)に買収され、幕を閉じた。

 アルゴ21は当時、7本部制の事業部門を2本部に集約し「組織を簡素化・責任体制強化」で意思決定のスピード化を図り、実ビジネスでも「不採算案件」などの防止策を講じた。しかし、不採算案件に関しては、他のSIerに比べ根絶するまでに時間を要した。

 キヤノンMJに引き継がれたERP「Super Stream」にも不具合が生じるなど、結局、「自力成長」を諦めたのが経緯。今と符合する不況の時代の話だけに、身につまされる。(谷畑良胤)
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