北斗七星

北斗七星 2009年8月3日付 Vol.1295

2009/08/03 15:38

週刊BCN 2009年08月03日vol.1295掲載

▼いまから30年ほど前、関東地方で鳴く蝉はアブラ蝉かツクツクホウシ、晩夏の夕方にヒグラシと決まっていた。特徴的な鳴き声を発し、ひと回り大型のミンミン蝉やクマ蝉は、子供の頃の昆虫採集で憧れの的だった。しかし、今の関東で主流となっているのはこの手の蝉たちだ。地球温暖化は、確実に生態系を崩し始めている。

▼7月初めに北海道を訪れた際、タクシーの運転手が嘆いていた。「今年、北海道に夏はこない」と。首都圏が猛暑日なのに札幌市は15~20度で推移し、週の大半が雨。「北海道に梅雨はない」といわれる。だが、最近では北海道にも「梅雨入り・明け」情報が必要なのかもしれない。そして、中国・九州地区を襲った記録的な集中豪雨。ヒートアイランド現象が引き起こす「ゲリラ豪雨」並みの雨量だが、原因は別にあるようだ。気象庁の「梅雨明けしたもよう宣言」の後、台風でもないのに何がそうさせているのだろう。

▼天災が起こると、ITベンダーはこれらの地域に低価格で復旧策を講じる。NECパーソナルは故障したパソコンの修理を保証期間を問わず3割引で請け負うと発表。藤井健太郎社長が山口県で起業したデータ復旧センターは、大雨で浸水したサーバーなどのデータ復旧を無償で行う。あるITベンダー担当者は言う。「首都圏では在宅勤務が増えた」。企業の災害対策は自宅まで及んでいる。事業継続を考えるうえで、頻度が増す災害に備えるIT対策はいっそう重要性を増してきている。

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