BCNアーカイブス

<ニュースのその後を検証>大興電子通信 今後3年間で利益大幅増狙う

2009/09/18 19:47

週刊BCN 2009年09月21日vol.1301掲載

●2003年7月28日 vol.1000 13面にて報道

 富士通の有力ディーラーである大興電子通信。6年前の「週刊BCN」(7月28日号)では、本紙の単独インタビューに応じた当時の牧野誠毅社長は、他の媒体に先駆けて「今度3年間で営業利益6~7億円を達成する」と明言していたが、蓋を開けてみると、現在まで目標値に達していない。

 当時、同社は2003年度(04年3月期)中にソフトウェア・サービスに比重を移す事業の構造改革やリストラを進め「黒字体質へ転換を果たした」(牧野社長)と述べていた。低価格化が急速に進み、粗利益が薄いハードウェアビジネスに見切りをつけ始めていたのだ。

 しかし、同社は依然としてハード販売が主力を占め、収益が伸び悩んで、昨年度(09年3月期)は約1億円の営業損失を出した。

 6年前に掲げた「ディーラーでなく『良きビジネスパートナー』になる」との方針は、汎用的な業務アプリケーションの販売を増やすことで変わりつつある。同社の予想では、今年度(2010年3月期)は、約10億円の営業利益を見込む。しかし、これとて固定費や変動費の削減に取り組んで損益分岐を引き下げて捻出した利益であり、本業では苦難の道が続いている。(谷畑良胤)
  • 1