▽…IT業界の多重下請構造は、オフショア開発や海外勢の台頭で転換が迫られている。受託開発を中心とするTDCソフトウェアエンジニアリングは、富士通とNTTグループからの受託開発が売上全体の5割を占める。谷上俊二社長は残り5割の「中堅企業をターゲットとして、ソリューションを伸ばす」ことで、活路を見出そうとしている。

▽…大手ではないからこその強みを生かせるとして「システムの基幹部分は大手中心に任せ、開発の部分を引き受けていく」。ユーザーの細かな要求に応えていくことが重要だと強調。「市場の変化に応じて、顧客ニーズにマッチした提案力をいかに高めていくかが課題」だとする。

▽…事業の方向性としては「従来のシステム開発と連携したポジションの開拓」を目指す構えだ。複数の得意分野を確立し、会社の屋台骨を支える。強みを生かしてユーザーの心を掴むことが生き残るための一番の近道というわけだ。（信澤健太）