北斗七星

北斗七星 2010年6月7日付 Vol.1336

2010/06/10 15:38

週刊BCN 2010年06月07日vol.1336掲載

▼喫煙者である小職が見ても、日本人の喫煙マナーの悪さには目に余るものがある。某JR駅構内にある「スモーキング・エリア」。囲いのないこの場所周辺は、路上に大量の吸殻が転がっている。そこに灰皿があるにもかかわらずだ。これでは、喫煙者が社会から排除されても仕方がない。

▼海外に目を向けると、喫煙者に対する接し方は国によって異なる。米国は室内・屋外問わず、ほとんどが禁煙の「完全排除型」。中国・上海市の場合、路上に吸殻が捨てられている光景を見ることが少ない。どうやら「ポイ捨て」の罰金が高いらしい。その分、街中のいたる所に灰皿がある。こちらは「厳罰型」といえる。

▼二十数年前、駅近くにある小学校で駅ホームから投げ捨てられる吸殻を児童が毎週1回拾う活動を目にしたことがある。同校の校長曰く、「子どもが拾う姿を見れば、大人は『ポイ捨て』をやめるはず」。実際、この時ばかりは、この駅から吸殻が消えた。

▼要するに、タガ(規制)をきつくするか緩めるかという話だが、いま日本は、経済を活性化するうえで規制のかけ方や政策のバランスがうまくないようにみえる。IT業界に限っていえば、通信回線はいまだNTTが握る状況。SaaSとて同じで、導入に際しての標準をつくると某省庁系の団体が意気込んでいる。場合によってはSaaSの盛り上がりを阻害しかねない思考法が散見される。このままでは日本でイノベーションは起こるはずがない。
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