いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>オフショア開発

2010/12/16 15:26

週刊BCN 2010年12月13日vol.1362掲載

〈一般的な解釈は…〉ソフト開発企業やシステムインテグレータなどが、開発の一部を海外の開発会社に委託すること

 開発コストを削減することを主な目的として、人件費の安い海外諸国にソフト開発を外注することを指す。オフショアは「Off(離れる)」と「Shore(海岸)」を組み合わせた「海外」を意味する。

 情報システムやソフトウェアを開発する場合、システムエンジニア(SE)と呼ばれる技術者が仕様を決めて、その内容に沿ってプログラマという開発者がソフトを動かすためのプログラムをつくる(プログラミング)。オフショア開発では、主にこのプログラミングの工程を海外のソフト開発会社に委託する。プログラマの給料が安い海外のソフト開発会社に外注すれば利幅が大きくなるので、90年代後半から日本のソフト開発企業やシステムインテグレータでも取り入れるようになった。

 外注先として最も多いのが中国だ。情報処理推進機構(IPA)の「IT人材白書2010」によれば、調査に回答した日本のIT企業のうち、全体の約80%が中国のソフト開発企業を委託先として選んでいる。中国に続くのは、インドとベトナムだ。白書によると、08年度の日本のオフショア開発額は1010億8300万円で、12年度には1195億6300万円に増えるとしている。

 コスト削減の効果は大きい。中国でもプログラマの給料は高騰しているが、日本に比べて3分1程度の人件費で済むというのが相場だ。ただ、商慣習やプログラミング手法が日本と違うことなどから、求める品質のソフトが納品されず、予想外の手間がかかり、計画通りにコスト削減ができないケースもある。

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