いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>ミッションクリティカル

2011/04/28 15:26

週刊BCN 2011年04月25日vol.1380掲載

〈一般的な解釈は…〉業務遂行のため、常に稼働しなければならない情報システムのこと。

 英語の「mission」と「critical」から成る。「mission」は「伝道」や「使命」、「critical」は「危機的」や「批判的」などの意味をもっているが、両方を合わせてIT用語として使用する場合は、業務遂行(mission)に必要不可欠(critical)であること、またはその情報システムを指している。ミッションクリティカルという言葉をIT用語として使わない場合は、「伝道に批判的」のような意味となる。

 ミッションクリティカルのシステムとしては、例えば、金融機関の基幹業務システムが代表例として挙げられる。こうしたシステムは、24時間365日、正常に稼働することが必要不可欠だ。ハードウェアやソフトウェアの問題によって、わずかの時間でも中断したり停止したりすれば、業務遂行に重大な障害が発生することになる。万が一、障害が起きた際には、ユーザー企業が巨額の損失を被る場合があるので、ミッションクリティカルのシステムの設計や運用には、高いスキルや迅速なサポート体制が不可欠となる。

 主に企業の業務遂行に関わるミッションクリティカルのシステムのほかに、消防署や病院などで、人の命に関わる「ライフクリティカル」のシステムや、警察や政府機関などで、治安に関わる「セーフティクリティカル」のシステムがある。

 ちなみに、ミッションクリティカルのシステムに障害が発生した最近の例として、3月11日の東北地方太平洋沖地震の直後、被災地への義援金振込みが殺到したなどの理由から、みずほ銀行の基幹システムにトラブルが起きた件が挙げられる。この例では、システムの障害によって、一時的にATMが使えなくなったり、給与振込みが遅延したりするなど、銀行とユーザーに大きな影響を及ぼした。
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