いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>BCP(事業継続計画)

2011/06/09 15:26

週刊BCN 2011年06月06日vol.1385掲載

〈一般的な解釈は…〉震災などが発生した際、事業を継続するための対策を定めた計画。

 英語の「Business ContinuityPlan」(ビジネスコンティニュイティ・プラン=事業継続計画)の頭文字をとった言葉である。震災や事故など、思いがけない出来事が発生した際に、企業がダメージを受けずに事業を継続できるように、対策/行動を定めた計画、またはその計画を立案することを指す。

 BCPはIT用語ではないが、近年、企業では事業活動の継続のために、不停止のITインフラが必要不可欠なことが多くなっているので、BCPとITが緊密に結びついている。そのため、被害を受けたパソコンやサーバー、ネットワーク環境など、企業のITインフラをいち早く復旧させることが、BCPの中心的な取り組みとなっている。BCPの一環として情報システムを復旧・修復することを「ディザスタ・リカバリ(DR)」という。

 東日本大震災の発生によって、ここにきてBCPの重要性が大きな話題を集めている。大手ITベンダーの日本IBMは、東日本大震災の当日、最初の大きな揺れからわずか4分という短時間で全社の関係者を招集して電話会議を開き、全社災害対策本部を立ち上げるなど、迅速にBCPを実施した。しかし、中堅・中小企業(SMB)の多くはBCPの対策が不十分だったことが明らかになり、今後、SMBは限られた予算で、いかにBCPを改善していくかが課題になっている。

 BCPの有効な対策として注目を浴びているのは、クラウドコンピューティングに基づくITサービスの導入だ。クラウドでは、IT機器の設置場所と利用者の居場所が一致する必要がないので、たとえ会社の建物が被害を受けても、離れた場所にあるITインフラを使い続けることができる。

 ちなみに、BCPの策定や運用、計画の改善などを管理することを「事業継続マネジメント」(BCM)という。
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